後部座席シートベルト、中央道横転で考えた致死率13.9倍

後部座席シートベルト、中央道横転で考えた致死率13.9倍

夫や子どもと買い物に向かう途中だったそうです。

10月25日の昼前、中央道の瑞浪IC付近で8人が乗った車が横転しました。後部座席の3列目にいた27歳の女性が亡くなっています。友人家族と一緒の、休日の移動だったみたいです。

瑞浪ICの近くで何があったのか

中央道を走る車内から見た富士山(資料写真、撮影:江戸村のとくぞう / CC BY-SA 4.0、ウィキメディア・コモンズ)
中央道を走る車内から見た富士山(資料写真、撮影:江戸村のとくぞう / CC BY-SA 4.0、ウィキメディア・コモンズ)

東海テレビの報道によると、事故は25日午前11時20分ごろ。岐阜県瑞浪市明世町の中央道下り線、瑞浪IC付近で、乗用車が縁石などにぶつかって横転したそうです。

乗っていたのは子ども4人を含む8人で、全員が病院に運ばれました。3列目にいた恵那市の27歳の女性が死亡し、20代の男女3人と3歳から6歳の子ども4人は軽いけがとみられています。女性は夫と子ども2人、それに友人の家族と買い物に行く途中だったということです。

山あいを通る中央道(資料写真、撮影:Qurren / CC BY-SA 3.0、ウィキメディア・コモンズ)
山あいを通る中央道(資料写真、撮影:Qurren / CC BY-SA 3.0、ウィキメディア・コモンズ)

CBCテレビは「2家族8人」が乗ったワンボックスカーと伝えています。どうして縁石にぶつかったのか、女性がシートベルトをしていたのかどうかは、いまのところ報道では分かっていません。なので、ここから先はこの事故の話ではなく、後部座席一般の話です。

後部座席のシートベルト、本当に差が出るの?

警察庁「全ての座席でシートベルトを着用しましょう」— 赤枠が後部座席非着用時の致死率(高速道路で約13.9倍)
警察庁「全ての座席でシートベルトを着用しましょう」— 赤枠が後部座席非着用時の致死率(高速道路で約13.9倍)

出るみたいです。警察庁のページに数字がそのまま載っていました。後部座席でシートベルトをしていなかった人の致死率は、高速道路で着用時の約13.9倍、一般道路でも約2.8倍だそうです。

警察庁の数字をもとに自分で作った表
警察庁の数字をもとに自分で作った表

グラフを見ると、高速道路では着用時が0.32、非着用時が4.51。令和3年から7年までの合計の数字です。同じ事故でも、ベルト一本でここまで変わるのかと正直ドキッとしました。

同じページ — 赤枠が「後部座席でシートベルトの着用は全ての道路で義務」と高速道路の違反点数
同じページ — 赤枠が「後部座席でシートベルトの着用は全ての道路で義務」と高速道路の違反点数

自分でも表にまとめてみました。数字は全部警察庁のページからです。

項目 数字
後部座席・非着用の致死率(高速道路) 着用時の約13.9倍
後部座席・非着用の致死率(一般道路) 着用時の約2.8倍
後部座席の着用率(一般道路) 45.8%
後部座席の着用率(高速道路等) 79.9%

警察庁は、ベルトなしだと車内で前の座席や天井に体を打ちつけたり、車の外に投げ出されたりするおそれがあると説明しています。時速60kmで壁にぶつかると、高さ14mのビルから落ちるのと同じくらいの衝撃だとか。後ろの人が前に飛ばされて、前の席の人がけがをすることもあるそうです。

後ろの席も義務って、知ってた?

シートベルトを締める様子(資料写真、撮影:Oregon Department of Transportation / CC BY 2.0、ウィキメディア・コモンズ、顔はぼかしています)
シートベルトを締める様子(資料写真、撮影:Oregon Department of Transportation / CC BY 2.0、ウィキメディア・コモンズ、顔はぼかしています)

後部座席のシートベルトは、一般道路も含めて全ての道路で義務です(道路交通法第71条の3)。運転する人は、同乗者にも着けさせないといけません。

ただ、違反点数が付くのは高速道路だけみたいです。高速道路での着用義務違反は、運転者に基礎点数1点。一般道路では点数がないので、そこで油断しやすいのかもしれません。

同じページ — 赤枠が令和7年の後部座席着用率(一般道路45.8%、高速道路等79.9%)
同じページ — 赤枠が令和7年の後部座席着用率(一般道路45.8%、高速道路等79.9%)

実際の着用率も載っていました。令和7年の調査で、運転席と助手席は96%を超えているのに、後部座席は一般道路で45.8%、高速道路等でも79.9%だったそうです。高速でも5人に1人は着けていない計算になります。

チャイルドシート(資料写真、撮影:Cschirp / CC BY-SA 2.5、ウィキメディア・コモンズ)
チャイルドシート(資料写真、撮影:Cschirp / CC BY-SA 2.5、ウィキメディア・コモンズ)

子どもと乗るときに気をつけたいこと

6歳未満の子どもや、6歳以上でも体格の関係でベルトがうまく合わない子には、チャイルドシートを使うよう警察庁は呼びかけています。

中央道・八王子料金所(資料写真、撮影:Yasu / CC BY-SA 3.0、ウィキメディア・コモンズ)
中央道・八王子料金所(資料写真、撮影:Yasu / CC BY-SA 3.0、ウィキメディア・コモンズ)

でも、大人が多い日ほど「近所だし」「満席だし」で3列目がおろそかになりがちな気がします。3列目のベルトは座面の奥に埋もれていたり、天井から引き出すタイプだったりして、ぱっと見つけにくい車もありますよね。

警察庁は、後部座席のシートベルトについて19分の教育用の映像も作っていて、「後部座席同乗者の死亡原因」や「幼児や妊娠中の方の場合」といった章に分かれているみたいです。JAFの衝突実験の映像へのリンクもありました。数字より映像のほうが伝わる人もいると思います。

ちなみに、警察庁のまとめでは、後部座席でベルトをしていなくて亡くなった人の内訳は「車内部位衝突」が68.8%、「車外放出」が22.4%でした。車の中にいても安全とは限らない、ということですね。

シートベルトをしていなかったことで、事故のあとの損害賠償で十分な補償を受けられなくなる場合がある、という点も警察庁は書いています。被害者側でも、です。

今回の事故の原因はこれからの調べを待つしかありません。ただ、出発前に全員分の「カチッ」を確かめるのは、今日からでもできることだと思います。みなさんの車の3列目、ベルトがどこにあるかすぐ分かりますか?

参考にしたところ


この記事を書いた人