分電盤の点検商法、相談6,545件|2023年度の約168倍

分電盤の点検商法、相談6,545件|2023年度の約168倍

分電盤の点検商法の相談が、すごい勢いで増えているらしいです。10月12日にYahoo!ニュースで見かけて、気になりました。

時事通信の記事では「相談6500件」「23年度の160倍」と書かれていました。大きい数字なので、元の発表を自分で読んでみました。国民生活センターの文章をもとに、わかったことだけを整理します。

写真はすべてイメージ写真です。日本の分電盤ではないものも入っています。

国民生活センターの発表を読んでみた

国民生活センターは2026年9月16日に「分電盤の点検商法にご注意ください」を公表しました。以前にも注意を呼びかけたけれど、その後も相談が続いて、2025年度は前年度の約5倍になった、と書いてあります。

国民生活センター「分電盤の点検商法にご注意ください」(2026年9月16日公表)— ①2025年度は前年度の約5倍 ②契約当事者は70歳以上が8割超
国民生活センター「分電盤の点検商法にご注意ください」(2026年9月16日公表)— ①2025年度は前年度の約5倍 ②契約当事者は70歳以上が8割超
壁に取り付けられた配電盤(写真: Gvolk / CC BY-SA 3.0(ウィキメディア・コモンズ)、イメージ写真。日本の分電盤ではありません)
壁に取り付けられた配電盤(写真: Gvolk / CC BY-SA 3.0(ウィキメディア・コモンズ)、イメージ写真。日本の分電盤ではありません)

相談者の年代も気になりました。2025年度の相談は、契約した人が70歳以上のケースが8割を超えているそうです。センターも「高齢者に特に注意してほしいトラブル」と書いていました。

地域の広がりもあります。2024年度は南関東が目立っていましたが、2025年度は北関東や九州北部も含めて、各地で急に増えたそうです。

同じ発表の図 — ①年度別相談件数(2022年度14件、2023年度39件、2024年度1,290件、2025年度6,545件)
同じ発表の図 — ①年度別相談件数(2022年度14件、2023年度39件、2024年度1,290件、2025年度6,545件)

数字を並べてみた

年度別の相談件数はこうです。2022年度が14件、2023年度が39件、2024年度が1,290件、2025年度が6,545件でした。2026年度は、7月31日までの登録分だけで2,223件です。

ちなみに2025年度の同じ時期(7月31日まで)は1,312件だったそうです。これは私の割り算ですが、今年度は同じ時期の約1.7倍になります。

年度別の相談件数を読んで、倍率を自分で計算した表
年度別の相談件数を読んで、倍率を自分で計算した表

2023年度の39件から2025年度の6,545件までは、約168倍です。時事通信の「160倍」はおおよそこの計算にあたるのだと思います。ただ、これは私の推測です。

数字は「消費生活センターに寄せられた相談」の登録件数です。実際に被害にあった人の数ではありません。センターの注にも、経由相談は含まれていないと書いてありました。

調布市公式動画「消費生活センターからのお知らせ 分電盤の点検商法に注意を!」(2025年12月5日号、自治体の公式動画です)

相談事例は、こんな流れでした

センターが載せていた相談事例は、2025年9月に受け付けた70歳代の女性のものです。「電力会社のものですが分電盤の点検に伺います」と電話があったそうです。

女性は法定点検だろうと思って、来てもらうことにしました。点検のあと、業者は「分電盤の耐用年数は法律で15年と決まっている。漏電したら大変なことになる」と言って、交換をすすめたといいます。

約14万円の交換工事を契約して、業者が帰ってから家族に相談しました。契約先の電力会社に確認すると、その業者は関係のない会社だとわかったそうです。女性はクーリング・オフをしたいと相談していました。

カバーのついた住宅用の配電盤(写真: Shixart1985 / CC BY 2.0(ウィキメディア・コモンズ)、イメージ写真)
カバーのついた住宅用の配電盤(写真: Shixart1985 / CC BY 2.0(ウィキメディア・コモンズ)、イメージ写真)

そのほかにも、電力会社を名乗る業者の点検のあとで交換工事を契約して不審に思った人がいました。市役所から依頼されたという業者とブレーカーの交換契約をした人もいます。点検後に現金を払ったのに契約書をもらっていない人もいました。

「耐用年数は法律で15年」という言い方が、実際に法律にあるのかどうかは、私は法令まで確認していません。ただ、センターは「法定点検では、点検後に調査員が分電盤の交換工事の契約を持ち掛けることはありません」と書いていました。

相談事例の流れとセンターのアドバイスを自分で並べた表
相談事例の流れとセンターのアドバイスを自分で並べた表

センターのアドバイスと、私のメモ

消費者へのアドバイスは5つありました。電話などで点検を持ち掛ける業者には安易に点検させないこと。点検した業者とその場で契約しないこと。クーリング・オフなどができる場合もあること。

そして、法定点検では点検後に交換工事の契約を持ち掛けないこと。不安や不明な点があれば、すぐに消費生活センター等に相談すること、の5つです。

同じ発表の「消費者へのアドバイス」— ①その場で契約しない ②法定点検では交換工事の契約を持ち掛けない ③消費者ホットライン188
同じ発表の「消費者へのアドバイス」— ①その場で契約しない ②法定点検では交換工事の契約を持ち掛けない ③消費者ホットライン188

相談先は、消費者ホットライン「188(いやや!)」です。住んでいる地域の消費生活センターを案内してくれる、全国共通の3桁の番号だそうです。

センターは経済産業省と一般社団法人送配電網協議会にも要望を出しています。分電盤を含む電気設備の法定点検について、正確な情報を出すことと、点検商法への啓発を進めてほしい、という内容でした。

電話や訪問が来たときの確認メモ(自作)
電話や訪問が来たときの確認メモ(自作)
ブレーカー(写真: Kae / CC BY-SA 3.0(ウィキメディア・コモンズ)、イメージ写真)
ブレーカー(写真: Kae / CC BY-SA 3.0(ウィキメディア・コモンズ)、イメージ写真)

親や祖父母の家には、先に一言を

私が気になったのは、70歳以上が8割という点です。自分は引っかからないと思っていても、親の家に電話が来ることはありそうです。

電力会社の名前や市役所の名前が出てくると、人は安心してしまいます。だから、「名乗られた会社に、こちらから電話して確認する」という習慣は、家族みんなで共有しておきたいです。

もう一つは、その場で決めない、ということです。「今日なら安くなります」と言われても、一度断って、家族に話してからでも遅くないはずです。

みなさんの家には、点検を名乗る電話や訪問は来たことがありますか? 離れて暮らす家族とは、こういう話をしていますか?

参考にしたところ


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