「神戸の住宅街に、コウノトリが来たらしい」。10月7日、そんなニュースが流れて、ちょっと驚きました。コウノトリといえば兵庫県の豊岡のイメージだったので、どういう話なのか、報道と公式ページを見て確かめてみました。
まず事実確認。灘区の電柱にコウノトリが降りた
地元紙の報道によると、国の特別天然記念物のコウノトリが、神戸市灘区の住宅街に飛来しました。10月3日の夕方、自宅のマンションから景色を見ていた住民の方が、見たことのない大きな鳥3、4羽が南から六甲山方面へ飛んでいくのを目撃したそうです。
そのうち1羽は近くの電柱に降りて、住民の方がベランダからスマートフォンで撮影しました。臨海部の工場や大阪の市街地を背景に、羽を広げた姿が写っています。「こんな市街地に来るなんてびっくり」と話していた、と報じられていました。

このあたりの数字を、私が表にしてみました。見かけた日、数、巣立ちの数です。どれも報道にあるまま写したもので、私が直接確かめたものではありません。

コウノトリは、一度日本から消えた鳥
そもそもコウノトリって、どんな鳥なのでしょう。兵庫県の公式ページには、兵庫県の県鳥で、但馬地方が日本最後の繁殖地だった、と書いてあります。そして、2005年から飼育していた個体の試験放鳥が行われ、今では豊岡盆地の広い範囲で飛んでいる姿が見られる、とも。

環境省の近畿環境事務所のブログには、国の特別天然記念物で、国内希少野生動植物種にも指定されている、とあります。昔は稲を踏み荒らす害鳥として駆除されたり、農薬のせいで数が激減したりして、日本国内では絶滅した、という説明でした。

兵庫県のページは、数が減った原因のひとつを、田んぼで使われていた強い農薬に汚染された魚などを食べたことだと考えられている、と説明しています。農薬の水銀による中毒で死んだことも分かっている、とありました。
野生に戻す取り組みで、どれだけ増えたのか
兵庫県の広報資料を見ると、2005年に放鳥を始めて、昨年(2025年)6月には全国の野外の生息数が500羽を超えた、と書いてあります。環境省のブログは2023年の時点で、国内で約300羽が野外にいる、と書いていました。
出どころが違う数字なので、単純に比べていいのかは分かりません。ただ、2年ほどで300から500に増えたようにも見えます。これは私が並べて見た印象で、公式の説明ではありません。

今回の報道では、県立コウノトリの郷公園によると、今シーズンは全国14府県38市町で199羽が巣立ったそうです。巣立ちが全国に広がっているのが、数字から分かりますね。

さらに、報道は日本の野生のコウノトリが1971年に絶滅したこと、県や豊岡市などが野生復帰に向けた取り組みを続けていることも伝えています。1971年から2005年までは、野生ゼロの時代だったことになります。

見つけたら、どうするのがいいのか
兵庫県のページには、これからの課題も書いてありました。田んぼの水はけをよくする工事のせいで、昔に比べて魚などの餌がずいぶん減っているそうです。だから、餌になる魚と、餌を取れる川の浅瀬や、魚のいる田んぼ、湿地を昔のように増やす必要がある、という内容でした。
ここからは公式の説明ではなく、私の考えです。コウノトリは特別天然記念物なので、見かけても追いかけたり、近づきすぎたりしないほうがいいと思います。写真は遠くから、望遠で撮るのがよさそうです。
兵庫県立コウノトリの郷公園が、野生復帰の歩みを紹介する動画を出しています。10分ほどありますが、どうして一度いなくなって、どうやって戻ってきたのかが分かるので、下に貼っておきます。少し前の動画なので、数字は上の公式ページを見てください。

まとめるとこうです。10月3日の夕方、神戸市灘区の住宅街にコウノトリが飛来しました。2005年に始まった放鳥から約20年で、野外では500羽を超えたと兵庫県は広報しています。みなさんの街でも、空を見上げたら大きな鳥が飛んでいるかもしれません。見かけたことはありますか?
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参考にしたところ
- 神戸新聞NEXT「住民びっくり、住宅地にコウノトリ 六甲山方面に飛んでいく姿 神戸・灘区」(Yahoo!ニュース、10月7日)
- 兵庫県「コウノトリ」(ひょうごこどものひろば、2025年7月22日更新)
- 兵庫県 知事室「ひょうご県政だより」(2026年1月号)
- 環境省 近畿環境事務所 アクティブ・レンジャー日記「コウノトリ、巣立ちのシーズン」(2023年6月15日)
- 兵庫県立コウノトリの郷公園「コウノトリ野生復帰事業の足跡」(YouTube)
- 話題のきっかけ: 10月7日の地元紙の報道。写真はウィキメディア・コモンズ(イメージ)と公式ページの画面、表は自作です。
