緊急地震速報M9.9は過大予測、42報まで出て取り消し

緊急地震速報M9.9は過大予測、42報まで出て取り消し

緊急地震速報でM9.9。10月16日のお昼すぎ、スマホが一斉に鳴った人も多かったみたいです。でも、大きな揺れは来ませんでした。

気象庁はこの速報を取り消して、「過大な内容」だったと謝っています。何がどう出ていたのか、気象庁が公開している記録を順番に見てみました。

12時38分、何が起きていたのか

朝日新聞によると、12時38分ごろ、カムチャツカ半島付近を震源とするM6.9(速報値)の地震があったそうです。ここで出た緊急地震速報が、マグニチュードを9.9と大きく見積もってしまったらしいです。

駅の発車標に出た「緊急地震速報受信」の表示(資料写真、写真: NatsuTV / CC0(ウィキメディア・コモンズ))。今回のものではありません
駅の発車標に出た「緊急地震速報受信」の表示(資料写真、写真: NatsuTV / CC0(ウィキメディア・コモンズ))。今回のものではありません

速報の対象は北海道、東北、関東、北陸、甲信、東海、伊豆諸島と、かなり広い範囲でした。実際に観測されたのは北海道函館市の震度1くらいで、それも緊急地震速報の対象の地震ではなかったと報じられています。

お昼休みの時間帯ですし、職場や駅で一斉に鳴ったら、正直かなり焦りますよね。

気象庁の記録で見ると

気象庁の「緊急地震速報(予報)発表状況」というページには、最近1か月の速報が並んでいます。いちばん上が「2026/10/16 12:36(千島列島)」で、Mの欄は9.9、警報発表の欄には〇がついていました。震央地名にかっこがついているのは、震度1以上の観測がなかったという意味だそうです。

気象庁「緊急地震速報(予報)発表状況」— ① 2026/10/16 12:36 ② 震央地名は(千島列島)、M9.9、警報発表は〇
気象庁「緊急地震速報(予報)発表状況」— ① 2026/10/16 12:36 ② 震央地名は(千島列島)、M9.9、警報発表は〇
千島列島の海岸(資料写真、写真: acidka / CC BY 2.0(ウィキメディア・コモンズ))
千島列島の海岸(資料写真、写真: acidka / CC BY 2.0(ウィキメディア・コモンズ))

詳細ページを開くと、何回も報が更新されていく様子がわかります。第1報は12時38分27.7秒でM6.2。そのあとM6.5、6.7、7.4と上がったり下がったりして、第13報ではM7.3でした。

同じページの詳細 — ① 第15報(12時39分23.6秒)でM9.9に ② 第17報(12時40分02.6秒)で警報
同じページの詳細 — ① 第15報(12時39分23.6秒)でM9.9に ② 第17報(12時40分02.6秒)で警報

流れが変わるのは第15報です。12時39分23.6秒、マグニチュードがいきなり9.9になっています。そして12時40分02.6秒の第17報で警報が出ました。根室地方北部の予測は「震度5弱から7程度」と書かれていました。

気象庁の記録から主な報だけ抜き出して作った表
気象庁の記録から主な報だけ抜き出して作った表

そのあともM9.9のまま報は続いて、最後の第42報は12時48分10.6秒。地震波を検知してから600.5秒、だいたい10分です。10分間ずっと「M9.9」が出ていたことになります。

北海道根室市の道路標識(資料写真、写真: tail_furry / CC BY-SA 3.0(ウィキメディア・コモンズ))
北海道根室市の道路標識(資料写真、写真: tail_furry / CC BY-SA 3.0(ウィキメディア・コモンズ))

気象庁は14時から会見を開いています。朝日新聞によると、地震津波監視課長が「過大な内容の緊急地震速報の警報を発表した。大変なご迷惑をおかけしたことを深くおわびする」と頭を下げたそうです。

原因は「調査中」とのこと。サイバー攻撃による被害ではないとも説明しています。なぜ途中からM9.9になったのかは、まだわかっていません。

東京・虎ノ門の気象庁(資料写真、写真: Europeans1145 / CC BY-SA 4.0(ウィキメディア・コモンズ))
東京・虎ノ門の気象庁(資料写真、写真: Europeans1145 / CC BY-SA 4.0(ウィキメディア・コモンズ))

会見の様子はライブ配信の動画で見られます。長いので、気になるところだけでも。

気象庁の会見ライブ配信(2026年10月16日、公式YouTube)

誤報は前にもあった、でも今回は少し違う

緊急地震速報の誤報は初めてではありません。2016年8月1日の夕方にも、千葉県富津市付近で最大震度7を予測した速報が出ています。

気象庁のお知らせ(2016年8月1日)— ① 15秒後にキャンセル報 ② このときは警報を出していない
気象庁のお知らせ(2016年8月1日)— ① 15秒後にキャンセル報 ② このときは警報を出していない

このときの気象庁のお知らせを読むと、周辺の観測点で揺れが観測されなかったため「15秒後にキャンセル報を発表しました」とあります。原因は観測点のデータに入った大きなノイズでした。

ここで大事なのが次の一文です。警報は2点以上の観測点で揺れを観測したときに出す決まりなので、そのときは「警報は発表しておりません」とのこと。つまり2016年は予報だけ、今回は警報まで出ていた、という違いがあるみたいです。今回は実際に地震があって、その大きさの見積もりだけがずれた、という形なのも違う点だと思います。

次に鳴ったら、どうする?

誤報だったとしても、鳴った瞬間にそれを見分けるのは無理です。だから動き方は本物のときと同じでいいはずです。頭を守る、落ちてくるものや倒れてくるものから離れる、あわてて外に飛び出さない。

「おおきなゆれにちゅうい」と出た発車標(資料写真、写真: NatsuTV / CC0(ウィキメディア・コモンズ))。今回のものではありません
「おおきなゆれにちゅうい」と出た発車標(資料写真、写真: NatsuTV / CC0(ウィキメディア・コモンズ))。今回のものではありません

個人的には、今回の件で「速報が鳴ったら、まず数秒は体を低くする」のがいちばん現実的だと感じました。揺れなければ、それでよかったと思えばいいだけなので。

みなさんは今日、速報が鳴ったときどこにいましたか? とっさに体は動きましたか?

参考にしたもの


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