「高校無償化のはずなのに、なんで授業料の請求書が来るの?」。10月8日のYahoo!ニュースで、こんな記事が上位に入っていました。年収600万円のまま変わらない家庭に、秋になって息子の高校から請求書が届いたという話です。
気になったので、文部科学省が出した通知を開いて確かめてみました。結論を先に言うと、2026年度は所得制限そのものがなくなっています。請求書が来た理由は、年収ではないみたいです。

まず事実確認。所得制限は4月からなくなった
文科省の通知は令和8年3月31日付です。高等学校等就学支援金の法律の改正が、令和8年4月1日から施行されたことを伝えています。
通知の「所得制限の撤廃」の項には、就学支援金の支給に当たって保護者等の収入の状況を問わないこととした、と書いてありました。つまり、年収が600万円でも900万円でも、国の制度では対象から外れません。

ただし、気をつけたい点もありました。同じ通知で、支給対象者は日本国籍を持つ人、特別永住者、永住者の在留資格の人、その他これに準ずる人として文科省令で定める人に限られるそうです。国籍や在留資格の要件が新しく入った形です。
また、4月より前から在学していて、今回の改正で対象から外れる生徒は、従来の例で支給を受けられるよう経過措置が決まっています。細かい条件は、学校からの案内で確認するのがよさそうです。
上限があるから、差額が請求される
ここが一番のポイントだと思います。無償化といっても、国が払うのは「授業料そのもの」ではなく、決まった上限額までなんですね。
通知の表には、全日制高校の支給限度額が月額で書いてありました。国立が9,600円、公立が9,900円、私立が38,100円です。12か月分に直すと、公立は118,800円、私立は457,200円になります。この年額は私の計算です。


私立高校の年間授業料が上限を超えれば、その差額は家庭が払うことになります。記事も同じ点を挙げていて、たとえば年間授業料が50万円なら、差額は42,800円になる、という計算でした。

私が自分で計算表にしてみると、40万円までなら上限内で、50万円で42,800円、60万円で142,800円、70万円で242,800円の差額になります。授業料以外の費用は入れていません。あくまで目安です。
反応は「無償じゃないの?」と戸惑う声が多そう
記事のコメント欄は100件を超えていて、Yahoo!ニュースのランキングでも上位でした。「無償化と聞いたのに」という戸惑いが広がっているみたいです。
ただ、名前の印象と中身にズレがあるのは、制度が「授業料の上限まで支援する」仕組みだからだと思います。「無償化」という呼び方だけを見ると、全部ゼロになると思ってしまいますよね。

もうひとつ、記事が触れていた点があります。国の制度とは別に、都道府県が独自の授業料補助をしている場合があるそうです。文科省も、国の就学支援金とは別に都道府県独自の授業料減免制度があることを示している、と記事は伝えていました。
所得の条件や金額は自治体によって違い、2026年度から所得制限をなくした自治体もあるとのことです。「補助には所得制限がある」と一律には言えないみたいです。
背景。支給の仕組みと請求書のタイミング
支援金は、原則として保護者の口座に振り込まれるのではなく、学校が生徒に代わって受け取って授業料に充てる仕組みだ、と記事は説明しています。申請の手続きは必要で、時期や方法は学校の案内に従う、ということでした。
さらに記事は、文科省は原則として就学支援金を授業料と相殺したあとの残りを徴収することを想定しているが、例外的な取り扱いも示していると書いています。学校の事務処理によっては、請求書の出し方やタイミングが違うことがあるそうです。
上の動画は、法案が閣議決定された2月の報道です。全ての高校生に11万8800円という見出しで、公立の年額上限に当たる数字ですね。今回の私立の上限とは別の話なので、混ざらないように気をつけたいです。

請求書が届いたときは、まず内訳を見るのが先だと思います。授業料の金額、国の支援金の額、差額、その他の費用が分かれているか。年収が上がったから外れた、と決めつけるのは早いみたいです。
まとめるとこうです。2026年度は国の就学支援金に所得制限がありません。ただし、私立の年間授業料が上限の45万7,200円を超えれば差額が請求されます。あなたの家には、授業料の請求書や補助の案内は届いていますか。内訳はどうなっていましたか。
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参考にしたところ
- 文部科学省「高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律の施行等について(通知)」(令和8年3月31日)
- 文部科学省「就学支援金新制度対象外となる生徒等への支援」(令和8年6月)
- ファイナンシャルフィールド(Yahoo!ニュース)「突然“息子の高校”から「授業料の請求書」が届きビックリ!」(2026年10月8日)
- FNNプライムオンライン「高校授業料無償化へ所得制限撤廃する改正法案を閣議決定」(2026年2月28日、YouTube)
- 話題の出どころ:10月8日のYahoo!ニュース アクセスランキング。写真はウィキメディア・コモンズのイメージ写真、文部科学省の公式ページの画面、自作の表です。
