「国語と算数を削減」は本当? 小3〜中3の授業、じつは全教科を一律3〜4%へらす案でした

「国語と算数を削減」は本当? 小3〜中3の授業、じつは全教科を一律3〜4%へらす案でした

きょうの昼、ハムスター速報に「文部科学省『国語・算数などの各教科の時間を削減します!』」というまとめが上がりました。タイトルの頭には【無能】。コメント欄はほぼ怒りです。「本末転倒、愚の骨頂」。「国語と算数が身についてなければ他の教科は更に理解できないだろ」。

Xのほうでは「減らすなら英語でしょ」という声が目立っていました。元教師だという人は「英語を減らして国語をしっかりと学ばせてあげてほしい」と書いています。気持ちはわかります。けど、元の記事を読んでみると、話の中身はちょっとちがっていました。

ハムスター速報のコメント欄(2026年9月26日)を文字に起こしたもの
ハムスター速報のコメント欄(2026年9月26日)を文字に起こしたもの
Xの投稿(ハムスター速報のまとめから)を文字に起こしたもの。アカウント名は伏せています
Xの投稿(ハムスター速報のまとめから)を文字に起こしたもの。アカウント名は伏せています

まず事実確認:国語と算数だけではない

出どころは9月25日の中央教育審議会です。文部科学省が、次の学習指導要領に向けた「審議まとめ案」を特別部会に出しました。朝日新聞と日本教育新聞が、同じ日に記事にしています。

中身はこうです。小学3年生から中学3年生までの各教科の授業時数を、今より一律で3〜4%ほどへらす。朝日新聞は「一部を除き現在から一律3~4%ほど削減する方針」と書いています。国語と算数を名指しで削るのではありません。「各教科」なので、国語も算数も理科も社会も、英語もふくまれます。

では、なぜへらすのか。次の指導要領では、小学校の「総合的な学習の時間」に「情報の領域」を作ります。中学校には新しい教科「情報・技術」ができます。ただ、1年間の授業の総数は変えないそうです。なので、新しい情報の時間の分だけ、ほかの教科から少しずつ持ってくる形です。

減らさない教科もあります。年間35コマ以下、つまり週1コマ以下の教科です。道徳や、中2・中3の音楽がそうです。小3・小4の外国語活動も年35コマなので、ルールどおりならここに入りそうです。くわしい削減の幅は、指導要領の中身を告示する2026年度末までに決めるとしています。新しい指導要領が始まるのは、2030年度以降です。

音楽の教科書。年35コマの中2・中3の音楽は、今回へらさない側です(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)
音楽の教科書。年35コマの中2・中3の音楽は、今回へらさない側です(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)

反応:「基礎が先」と「英語をへらせ」

コメント欄で多かったのは、基礎の話でした。「新しいことを始める前に基礎の基礎国語算数の方が重要」。「最近マジで国語出来ないやつ増えてきた」という声もあります。

Xでは、英語に矛先が向いていました。「AIで翻訳もできるし」「英語は中学からで十分」。でも今回の案だと、英語だけ守られるわけではありません。むしろ、国語と同じ割合でへる側です。見出しの「国算など」だけが一人歩きした感じがしますね。

いまの標準授業時数。学校教育法施行規則の別表第一・第二から書き出したもの
いまの標準授業時数。学校教育法施行規則の別表第一・第二から書き出したもの

背景:3〜4%って、何コマくらい?

いまの授業時数は、学校教育法施行規則の別表で決まっています。小3の国語は年245コマ、算数は175コマです。小3の1年間の総数は980コマ。小4から中3までは、どの学年も1015コマです。

ここからはわたしの単純計算です。小3の国語245コマの3〜4%なら、7〜10コマくらい。算数175コマなら、5〜7コマほどです。中学の英語は年140コマなので、4〜6コマくらいになります。小学校の1コマは45分なので、国語だと1年で5〜7時間ぶんくらいでしょうか。

黒板のある小学校の教室(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)
黒板のある小学校の教室(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)

もちろん、実際の数字はまだ決まっていません。教科ごとの時数は、これからの審議で示すそうです。朝日新聞によると、内容が重なるところを整理して、必要な学習内容は保つとしています。

机とランドセル(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)
机とランドセル(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)

もうひとつ、同じまとめ案にはAIの話も入っていました。日本教育新聞によると、国語で文章を要約したり構成を考えたりする学習では、AIが子どもの思考を代わりに担わないよう求めています。国語をへらす一方で、国語の中身はけっこう気にしているみたいです。

高校のほうも動きます。日本教育新聞によると、1単位に必要な授業を、今の35コマから17コマに細かく分けられるようにする案です。生徒に合わせて時間割を組みやすくするためで、令和11年度か12年度に先に始める考えだそうです。小中は「へらす」、高校は「細かく分ける」。どちらも、決まった枠の中でやりくりする話なんですよね。

店頭にならぶランドセル(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)
店頭にならぶランドセル(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)

まとめ

「国語と算数を削減」は、半分だけ本当でした。へるのは国語と算数だけではなく、英語もふくめた全教科です。理由は、新しくできる情報の時間をつくるためでした。

年に数コマをどう見るかは、人によって分かれそうです。わたしは、1年で5〜7時間なら思ったより小さいなと感じました。ただ、情報の時間が本当にその分の価値を持てるのかは、まだ見えていません。

文部科学省の旧庁舎(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)
文部科学省の旧庁舎(資料写真・ウィキメディア・コモンズ)

みなさんは、国語・算数と情報、どっちの時間を大事にしてほしいですか?

参考にしたところ

写真の出典

  • Former Monbushō Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology building 2010.jpg — Wiiii / GFDL
  • Hitane Elementary School classroom 1.jpg — Douglas P Perkins / CC BY 3.0
  • Randoseru.jpg — L. W. Yang / CC BY 2.0
  • Classroom indoors of Heiwa elementary school; September 2009 (04).jpg — ajari / CC BY 2.0

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