家族旅行のvlogが、こんな形で話題になるとは本人も思っていなかったはずだ。板野友美さんが9月3日に公開したYouTube動画をめぐって、撮影場所の問題が指摘され、いまだに収まっていない。

何があったのか
公開されたのは「【夏休み】ひさしぶりに親子3人で日光家族旅行【vlog】」という動画。栃木県日光市のザ・リッツ・カールトン日光で家族3人が過ごす様子をまとめたものだった。
問題になったのは、大浴場の脱衣所でカメラを回していた場面である。脱衣所は共用部分だ。ほかの宿泊客が着替える可能性がある場所で撮影していたことに、SNSで批判が集まった。

「特別に許可をもらった」対「許可は下ろしていない」
指摘を受けて板野さんは謝罪と説明を出した。ホテル側から特別に撮影許可を得ていた、という趣旨の内容だった。
ところがホテル側の回答が違った。「脱衣所等では、撮影許可は下ろしていません」。貸切にした事実も否定している。つまり両者の認識がまったく噛み合っていない。
ここで話が一段ややこしくなった。どちらかが嘘をついているのか、それとも現場でのやり取りに行き違いがあったのか。今のところはっきりしていない。

飛び火した先が弁護士だった
騒動が長引いた理由は別にある。代理人を名乗る弁護士が、批判的な投稿をしていた人たちに名誉毀損を理由とした削除要請をDMで送り始めたのだ。
これが逆効果になった。「批判を封じ込めようとしている」という受け止め方が広がり、火に油を注ぐ形になった。しかもその弁護士自身の過去の投稿が全部消えるという展開まで加わって、話がさらに大きくなった。
最初は撮影マナーの話だったのに、いつのまにか批判への対応の仕方が問われる話に変わっている。
なぜここまで反応が大きいのか

脱衣所というのは、旅館やホテルの中でもいちばん無防備になる場所だ。そこにカメラが入るというのは、多くの人にとって感覚的に受け入れがたい。「自分が泊まっていたら」と置き換えて考えた人が多かったのだと思う。
インフルエンサーの撮影が問題になるケースはここ数年ずっと続いている。飲食店、電車の中、観光地。今回もその流れの中にある。違うのは、相手が高級ホテルで、しかも許可の有無をめぐって食い違いが起きたという点だ。
これから何が問われるか

結局のところ、争点は二つに整理できる。ひとつは撮影許可が実際にどう伝わっていたのか。もうひとつは、批判にどう向き合うかというバランスの取り方だ。
前者はホテルと本人の間で事実確認が進めば、いずれはっきりするだろう。厄介なのは後者のほうで、削除要請という手段を選んだ時点で印象がかなり悪くなってしまった。

撮影する側にとっては、許可を取ったかどうかだけでなく「その場にいる他人がどう感じるか」まで含めて考える必要がある時代になった。今回の件は、その線引きがどこにあるのかを改めて突きつけている。
