「11株も植えれば十分でしょ」→2カ月後、庭がトマトジャングルになっていた

「11株も植えれば十分でしょ」→2カ月後、庭がトマトジャングルになっていた

「11株も植えれば十分でしょ」

そう思って庭にトマトの苗を植えた女性がいる。2カ月後の光景が132万回以上再生されている。

畑のトマトの苗(イメージ)
畑のトマトの苗(イメージ)

4月に植えて、6月に見たら

投稿したのは米テキサス州に住むサラさん。Instagramアカウント「Sara’s Bites」で公開した。

4月に植えたときは、手のひらに載るくらいの小さな苗が11株。それが6月には辺り一面を覆う状態になっていた。

茎と葉が入り交じって、向こう側が見えない。動画には「ちょっとしたトマトジャングル」という表現が使われていた。

サラさん本人が動画に添えたコメントがこれ。

「間違いを犯しました」

収穫されたトマト(イメージ)
収穫されたトマト(イメージ)

コメント欄の反応も正直だ。

「うわあああ」
「隣の家の人もトマトが好きなことを願う!(笑)」
「私も去年同じことしました。ジャングル状態で地獄……」

最後のコメントに実感がこもっている。経験者がそこそこいるらしい。

なぜ11株で足りなくなるのか

苗を買うときは、あの小ささを基準に考えてしまう。ポットに入った10cmくらいの苗が11個。畑に並べても、すかすかに見える。

ただトマトは、条件がそろうとかなり伸びる。カゴメの家庭園芸FAQでは、草丈120〜150cmくらいになる品種も紹介されている。横にも枝を広げる。11株が全部そうなったら、当然向こうが見えなくなる。

トマトの断面
トマトの断面

収穫量も想像を超える。カゴメによると、1本仕立てで5段目まで収穫した場合、中玉トマトで1株約25個、ミニトマトなら約50個。11株の中玉なら、単純計算で270個を超える。

しかも一気に採れるわけではなく、夏の間ずっと採れ続ける。毎日のように収穫があって、食べきる前に次が赤くなる。これが「地獄」と言われる理由だと思う。

採れすぎたトマトはどうするか

ここからが本題かもしれない。ジャングルになったあと、実際どうするか。

トマトソースを煮込むところ
トマトソースを煮込むところ

ソースにして冷凍するのが一番現実的だと思う。ざく切りにして煮詰めるだけでいい。皮が気になるなら湯むきする。

煮詰めたソースは小分けにして冷凍すれば数カ月もつ。パスタにもスープにも使える。製氷皿で凍らせておくと、少量ずつ使えて便利だ。

鍋いっぱいのトマトソース
鍋いっぱいのトマトソース

丸ごと冷凍という手もある。洗ってヘタを取って、袋に入れて凍らせるだけ。使うとき水にあてると皮がつるっとむける。生食はできなくなるが、加熱調理には十分だ。

ドライトマトにすると容量が激減する。オーブンの低温で数時間かけて水分を飛ばす。オイル漬けにすれば長くもつし、味も濃くなる。

ブルスケッタ(イメージ)
ブルスケッタ(イメージ)

そもそも何株が適量なのか

何株が適量なのか、公式の目安までは見つけられなかった。ただ、1株で約25個という数字から考えるとイメージしやすい。

総務省の家計調査では、二人以上の世帯が1年に買うトマトは約9.8キロ。中玉1個を50グラムくらいと考えると、だいたい200個分だ。つまり中玉8株くらいで、1年分のトマトがまかなえてしまう計算になる。

サラさんの11株は、数だけ見ればそこまで多くは感じない。問題は株数というより、1株がどれだけ大きくなるかを見誤ったことのほうだと思う。

マルシェに並ぶ野菜
マルシェに並ぶ野菜

間隔も大事で、株と株の間は約50cm(サカタのタネ)、または50〜70cm(カゴメ)あけるのが目安だ。詰めて植えると風が通らず、病気が出やすくなる。ジャングル化は見た目の問題だけでなく、株にとってもよくない。

数字で確かめてみた

日本のトマトの量も見てみた。農林水産省の作物統計によると、2025年産のトマトの収穫量は639,900トン。そのうち夏秋トマトは283,700トンで、10アールあたりの収量は4,220キロだった。

農林水産省、総務省、種苗会社の資料をもとに作成
項目 数字 出典
国内のトマト収穫量(2025年産) 639,900トン 農林水産省
うち夏秋トマト 283,700トン 農林水産省
1世帯のトマト年間支出 8,082円(2023〜25年平均) 総務省 家計調査
1世帯の年間購入量 9,843グラム 総務省 家計調査
中玉1株の収穫目安 約25個(1本仕立て・5段) カゴメ
株の間隔 約50cm/50〜70cm サカタのタネ/カゴメ

家計調査(二人以上の世帯、2023〜25年平均)では、1世帯がトマトに使うお金は年8,082円、買う量は9,843グラム。いちばん多い東京都区部でも12,495グラムだった。

サラさんの11株は、日本の家庭が1年に買う量を、1シーズンで軽く超えてしまう計算だと思う。近所に配っても追いつかないのは当然かもしれない。

サカタのタネの中玉トマトの説明でも、植え付けは4〜5月、収穫は6〜10月となっている。4月に植えて6月にジャングル、というサラさんの流れは、むしろ教科書どおりだったみたいだ。

思ったこと

この話が面白いのは、失敗の方向が「枯らした」ではなく「育ちすぎた」ことだ。

家庭菜園で一番多い失敗は枯らすことなので、11株を全部この状態まで持っていったサラさんは、むしろかなり上手だと思う。水やりも肥料も、ちゃんとやっていたはずだ。

ただ本人にとっては地獄だったらしい。近所に配る量にも限度がある。

今年トマトを植えた方、収穫はどうでしたか。植えすぎた自覚のある方はいますか。

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