新『こち亀』両津役は落合福嗣。父・博満氏が解禁前に電話してきた謎

新『こち亀』両津役は落合福嗣。父・博満氏が解禁前に電話してきた謎

守秘義務があるので、家族にも言っていなかった。

なのに発表当日の朝8時、父から電話がかかってきた。

亀有の香取神社(資料写真)
亀有の香取神社(資料写真)

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の新作アニメ『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』で、両津勘吉役を声優の落合福嗣さん(39)が務めることが発表されました。

原作50周年を記念した新アニメで、2027年にフジテレビで放送される予定です。

落合さんは元中日監督の落合博満さん(72)の息子としても知られている人です。ただ、今回話題になったのは親子関係そのものより、発表当日のエピソードのほうでした。

葛飾区を流れる中川(資料写真)
葛飾区を流れる中川(資料写真)

落合さんによると、こういう仕事には守秘義務があるので、決まってからも家族には一切話していなかったそうです。

ところが発表当日の朝8時、会場へ向かって移動している最中に、父・博満さんから電話がかかってきた。

そして、いきなり確認されたそうです。

「こち亀で両津やるのか」と。

まだ情報解禁前です。落合さんは事情を知らないふりをして電話を切った、と本人が明かしていました。

問題は、なぜ博満さんがそれを知っていたのかということなんですが、これが本人にも分からないらしく、会場は笑いに包まれたそうです。

昔ながらの交番(資料写真・東京)
昔ながらの交番(資料写真・東京)

『こち亀』は1976年に連載が始まった作品です。今年でちょうど50年。

舞台は東京都葛飾区の亀有。JR常磐線の亀有駅がある、下町エリアです。作品に出てくる「亀有公園前派出所」は架空の設定ですが、亀有という街自体は実在しますし、実際に警察署もあります。

連載当時から一貫して、この街の空気を描き続けてきた作品でした。両津勘吉という警察官が、仕事はろくにせず金儲けの企みばかりしている——という、警察マンガとしてはかなり無茶な設定で50年続いたことになります。

この作品がすごいのは、単に長いだけじゃなくて時代を丸ごと記録してしまったところだと思います。

ファミコンが出れば両津がゲームで儲けようとして、バブルが来れば土地転がしをやろうとして、携帯電話が普及すればそれで一儲けを企む。プラモデル、ラジコン、カメラ、パソコン、株。その時々で流行っていたものが、全部ネタとして作品に入っています。

結果的に、1976年から2016年までの日本の消費文化が、ギャグマンガの形で全部残っているという状態になりました。当時をリアルタイムで知らない世代が読んでも、「昔はこんなものが流行っていたのか」と分かる資料になっているわけです。

アニメ版は1996年から2004年までレギュラー放送されていて、両津役はラサール石井さんが務めていました。当時テレビで見ていた人にとっては、あの声のイメージが強く残っているはずです。

その役を引き継ぐというのは、単に人気キャラを演じる以上のプレッシャーがあると思います。

書店のマンガ売り場(資料写真)
書店のマンガ売り場(資料写真)

今回の新作で、その両津役を落合さんが引き継ぐわけです。

声優としての落合さんの経歴も、ついでに整理しておきます。

1987年生まれで、国士舘大学を卒業したあと、アミューズメントメディア総合学院の声優タレント学科を出ています。つまり親の名前で入ってきたのではなく、養成所を通った人です。

声優デビューは2015年。そして2019年に第13回声優アワードの新人男優賞を受賞しています。代表作には『グラゼニ』の凡田夏之介や、『灰と幻想のグリムガル』のモグゾーなどがあります。

所属は青二プロダクション。声優事務所としては最大手の一つです。

両津勘吉は、声だけで押し切らないといけないキャラクターです。うるさくて、しつこくて、でも憎めない。その塩梅を声で作る役なので、キャスティングとしては納得感があるという声が多いようです。

それにしても、父・博満さんの情報網が気になります。

本人が家族に一切話していない、情報解禁前の芸能ニュースを、当日の朝8時に把握して息子に直接確認の電話を入れる。どこから聞いたのか、あるいは何かで見たのか。

現役時代から「不思議な人」として語られることの多かった方ですが、引退後もその評判は健在ということなんでしょうか。

こち亀の記録を確かめてみた

オリコンの記事によると、『こち亀』は1976年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』で約40年連載されました。単行本は2016年9月に出た200巻で完結しています。

葛飾区・柴又帝釈天の鐘楼(資料写真)
葛飾区・柴又帝釈天の鐘楼(資料写真)

この200巻は、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されていました。でも2021年7月、『ゴルゴ13』の201巻がこれを抜いています。「こち亀が世界一」と覚えている人は、ちょっと情報が古いかもしれません。

各記事・発表をもとに作成
項目 内容 出典
連載 1976年〜2016年(約40年) ORICON NEWS
単行本 全200巻(2016年9月) ORICON NEWS
ギネス記録(最多巻数の単一漫画) 2021年に『ゴルゴ13』201巻が更新 ORICON NEWS
旧テレビアニメ 1996年6月〜2004年12月レギュラー、2016年9月まで不定期 ORICON NEWS
新作アニメ 2027年フジテレビ放送・各サービスで配信 PR TIMES(制作側の発表)
両津勘吉の声 ラサール石井さん → 落合福嗣さん デイリースポーツ

アニメのほうは、1996年6月から2004年12月までレギュラー放送。そのあとも2016年9月まで、不定期の特番が続いていました。本格的な新作は、2016年以来10年ぶりです。

住宅街の交番(資料写真・三鷹)
住宅街の交番(資料写真・三鷹)

制作側がPR TIMESに出した発表では、新作の監督は大地丙太郎さん。中川は蒼井翔太さん、麗子はM・A・Oさん、大原部長は坂本頼光さんが担当します。

ラサール石井さんの両津を長く聞いてきた世代と、まったく知らない世代。両方に同時に届く声を作るのは、かなりむずかしい仕事だと思います。

みなさんは『こち亀』、どの時代のものを読んでいましたか?

参考にした記事・資料


この記事を書いた人